ITIL 的目标

サービスサポート評価指標

問題管理

第6章

ITILサービスサポートブックの問題管理セクションでは、2つの視点から測定と監視が検討されています: サービスレベルに対する管理情報とパフォーマンス。まず、管理情報について見ていき、次にサービスレベルを検討していきましょう。

管理情報に関しては、問題管理のITIL目標を考慮してください。

「問題管理の目標は、IT基盤でのエラーにより引き起こされるインシデントと問題がビジネスに与える悪影響を最小限に抑えることと、そのエラーに関連したインシデントの再発を防ぐことである。この目標を達成するために、問題管理はインシデントの原因を見つけ、状況を改善するあるいは修正する措置をとろうとする」。

またITILは、問題管理は事後対応的・予防的双方の視点からアプローチすべきであると述べています。

「問題管理プロセスには、事後対応的(リアクティブ)な面と予防的な(プロアクティブ)面がある。リアクティブな面では、問題解決は1つ以上のインシデントに呼応する形で行われる。プロアクティブな問題管理とは、インシデントが生じる前に問題と既知のエラーを特定し、それを解決することである」。

管理情報のための評価指標の大部分は、そのような監督を意図したものではなく、スタッフの作業負荷とIT品質に関する意思決定に情報を提供することを意図しています。多くの場合これらの評価指標は、プロアクティブな問題管理が潜在的弱点に気付いているかどうかの判断基準となり、そして/または介入して措置の方向を変更するための有用な情報を提供します。ITILは、以下のような評価指標の測定を勧めています。

  • 提起された変更要求(RFC)の数と、対象となるサービスの可用性と信頼性にこれらのRFCがあたえるインパクト。
  • 調査や診断に費やされた組織単位あるいはサプライヤ毎の問題タイプ別に分けられた時間。
  • 根本的な問題をクローズするまでに、もしくは既知のエラーが確認される前に起こったインシデントの数とインパクト。
  • 問題管理における計画的なサポートに対する(リアクティブな)緊急サポートの工数の割合。
  • 次のリソースに関連する、対策中の問題に対する解決計画。
    • 人材
    • 他の使用されたリソース
    • (予算に対する)コスト
  • とるべき処置の簡潔な説明。

問題の量によって、これらの評価指標は所定の期間に渡り任意に変動する場合があります。変動の原因としては、新システムや新サービスの実施、システムやサービスのアップグレード、新たな変更、およびソフトウェアの新リリースや他のアップデートにより生じた新たな問題など、多くのファクターが考えられます。目的は問題を解決することであるということに注意してください。通常、ITILを実施したばかりの組織に関しては、既にそれらの問題をかなり減少したITILが確立した経験値の高い組織に比べて、情報管理評価指標は目標値から離れた値となるでしょう。

一つ一つこれらの評価指標を見ていきましょう。

提起された変更要求(RFC)の数と、対象となるサービスの可用性と信頼性にこれらのRFCが与えるインパクト。この評価指標の最初の部分は、問題管理の結果提起されたRFCの数が必要であるということで、これが基本となります。一方後半では、同様ではあるが異なる評価指標が必要です。ここではインパクトについて述べられていますが、それが最後のレポート以降提起された新たなRFCの影響(潜在的影響)なのか、それとも最後のレポート以降実行されたRFCの結果なのかは示されていません。その両方が含まれるとすると、最後のレポート以降のRFCに対する正当性測定と最後のレポート以降実行されたそれらの変更に対する検証測定の両方が必要となるでしょう。

最後のレポート以降の問題管理による変更に関しては、RFCの正当性測定において予測される影響と、実行されたRFCに対する検証測定から現実的に得られるものの違いが定義されていません。

この分析によって、問題管理の結果から実行された変更の影響をより深く理解することができます。例えば、オリジナルのRFCが、サービスデスクが1日あたり50件のインシデントを受けるという仮定に基づいて正当化されたものの、検証の結果サービスデスクが1日あたりそれより30件少ないインシデントしか受けていないことが判明した場合、恐らく正当化の方法を再検討しなければならないでしょう。

  • ビジネス連携の指標 – 顧客は、彼らのサービスのアベイラビリティと信頼性に対する影響に作用するような提出されたあらゆるRFCに関し、オンラインの定期的なレポートとアップデートを受けるかあるいは閲覧できなければなりません。また、RFCの検証測定と正当性測定に対する意見・見解を顧客に求めるべきです。

調査や診断に費やされた組織単位あるいはサプライヤ毎の問題タイプ別に分けられた時間。この測定によって、マネージャとプロジェクトリーダーは、彼らのスタッフがどのくらいの時間と労力を問題の根本原因の追求に費やしたかを特定することができます。これはマネージャとプロジェクトリーダーにとって重要なデータです。これによって彼らは現在および将来のスタッフの作業負荷をより適切に管理することができ、また彼らのスタッフが特定のRFCに取り組むコストを計算できる基礎データを得ることができます。

  • ビジネス連携の指標 – ビジネスマネージャはこのレポートに目を通さなければなりません。調査と診断に関わった業界のあらゆるメンバーによって費やされた時間は必ずすべて含めてください。

根本的な問題をクローズするまでに、もしくは既知のエラーが確認される前に起こったインシデントの数とインパクト。測定を考える前に説明のポイントを把握するといいでしょう。ITILでは、新たなインシデントが起った際に問題記録が開かれるべきであると述べられています。問題に関連する新たなインシデントが起ったときは毎回、問題記録が更新され、問題記録のインシデントフィールドが1つ追加されなければなりません。インシデントと影響の数により問題の優先度が変更されるので、このデータは非常に重要です。例えば、1日あたり2件のみのインシデントでビジネスへの影響が低い問題は、おそらく低い優先度に割り当てられるでしょう。しかしインシデントの数が突然1日あたり50件まで増加した場合は、問題の優先度はそれに従い高くなります。同様に、1日あたり2件のみのインシデントでも、ビジネスへの影響が大きい問題は、優先度が高くなるでしょう。

これは、インシデント管理と問題管理の技術の完全な統合が必要とされる重要なレポートです。レポートはすべてのITマネージャに送付しなければなりません。

  • ビジネス連携の指標 – またビジネスマネージャにとっても、このレポートは重要であり、マネージャは、問題の数と彼らの各ビジネスエリアに対するそれらの問題のインパクトを知る必要があります。ビジネスマネージャは、それらの優先順位が満たされていることを確実にしなければなりません。理想的には、このレポートはビジネスマネージャがオンラインで利用でき、彼らのビジネスに影響を与える問題が新たに提起された時には、即座にビジネスマネージャに通知されなければなりません。

問題管理における計画的なサポートに対する(リアクティブな)緊急サポートの工数の割合。ここで作業負荷に戻りますが、さらに構造化された方法でアプローチします。ITILは、問題解消に利用可能な時間を確保するために、すべてのサポートグループが問題管理のための労働時間の量を割り当てるべきであると勧めています。通常どおり、今回は予防的・事後対応的両方の業務の配分が含まれます。残念ながら、多くの場合、ITの本質としてこの提案と衝突する形で業務が行われます。例えば、スタッフは、根本原因が特定され永久的な解決法が実行されない限り解決されるはずがないインシデントに即座に取り組むでしょう。このレポートにより、ITマネージャは予定のサポートに対する即時的サポートの比率を検討することができるようになり、将来の作業負荷計画の改善が可能になります。

  • ビジネス連携の指標 – 一見、ビジネスマネージャはこのレポートに関心がないと思われるでしょう。しかし、ビジネスマネージャがサポートに対しチャージバックなどで代価を支払っている場合、このレポートは彼らにとって非常に興味のあるところとなるでしょう。ビジネスマネージャは、このレポートを受け、そして可能ならばオンラインでそれを見ることができなければなりません。

リソースに関する検討中の問題解決のための計画;人材、他の使用されたリソース、(予算に対する) コスト。このレポートはすべてのIT部に対する要求事項ですが、問題管理の予算が確定し、またレポート作成技術が存在している場合に限り、それを作成することができます。それは計画書として大きな価値があります。

  • ビジネス連携の指標 – ビジネスマネージャはコスト的要因としてこのレポートを必要とします。また、この評価指標で指定されている「人材と他のリソース」は、ビジネス側からの人材あるいはリソースを含む場合があります。ビジネスマネージャは、このレポートを受け、そして可能ならばオンラインでそれを見ることができなければなりません。

とるべき処置の簡潔な説明。このレポートは、非常に長くなり全体として読むにはかなりの時間がかかる場合があるため、管理者のアクセスに対し参考資料として使用され、オンラインで提供されるべきです。例えば、未解決の問題が50あれば、講ずるべき措置の説明も50となります。マネージャが注目するのは、そのうち問題管理のために作成された他の管理レポートにより強調された1つか2つだけの問題に対する措置でしょう。

  • ビジネス連携の指標 – ビジネスマネージャは、他のレポートを受けている場合でも、このレポートを(望ましくはオンラインで)受けるべきです。

管理に対するハイレベルな視点が得られるため、上記の管理情報レポートは重要です。また、特に補助スタッフの作業負荷の領域に重要な計画データを提供します。しかし、問題管理をコントロールするためには、ITILが推奨するようなより詳細なレポートが必要です。

  • 次の事項毎の問題とエラーの数。
    • ステータス
    • サービス
    • インパクト
    • カテゴリ
    • ユーザ・グループ
  • クローズ済みの問題にかかった総経過時間。
  • 未解決問題の現在までの経過時間。
  • インパクト・コードやサポートグループ(ベンダを含む)毎の、問題レコードを起こした時点から問題のクローズ、または既知のエラーの確認までに割いた平均時間と最長時間。
  • すべての一時的な解決処置。
  • 未解決問題の解決にかかる予想時間。

必要な技術があれば、問題管理からこれらのレポートが作成できるでしょう。これらのレポートを綿密に検討してみると、さらに洞察が得られるでしょう。

問題とエラーの数は以下により分割される。ステータス、サービス、インパクト、カテゴリ、およびユーザグループで分割された問題とエラーの数。このレポートが提供するのは総合的な数字だけですが、異なるカテゴリに問題を分割するために有効です。

示したカテゴリはただの一例です。技術やベンダーなど、あなたの組織に関連した他のいかなるカテゴリも自由に加えてください。このレポートは、サービス管理スタッフやさまざまなサポートグループからの代表が出席する問題管理ミーティングに有効なデータを提供します。

  • ビジネス連携の指標 – 業界にとってはこれらのカテゴリの大部分は関心がないでしょうが、「ユーザ・グループ」は重要なので、上級ビジネスマネージャが利用できるようにしなければなりません。ビジネスマネージャと話し合い、他のカテゴリについて、関心があるかどうか確認してください。

クローズ済みの問題にかかった総経過時間。このレポートは、最後の報告あるいは期間以降のすべての検討を終えた問題を記載し、それぞれの検討を終えた問題と最終的な総計の概要を示していると仮定しなければなりません。このデータは将来の作業負荷計画に有効です。

  • ビジネス連携の指標 – このレポートは、ビジネスマネージャが「特別レポート」として使用し、経過時間をチェックできるようにすべきです。

未解決の問題の現在までの経過時間。このレポートは前のレポートと同様ですが、閉じている問題ではなく、開いている問題の経過時間のステータスを示します。レポートでは、最終的な概要の総数とともにすべての検討中の問題に対する合計経過時間が示されます。このデータは将来の作業負荷計画に有効です。

  • ビジネス連携の指標 – このレポートは、ビジネスマネージャが「特別レポート」として使用し、経過時間をチェックできるようにすべきです。またビジネスマネージャは、ビジネスに重要でない問題に時間が費やされていると思う場合は介入するべきです。

問題レコードを起こした時点から、インパクト・コードやサポート・グループ(ベンダを含む)毎の、問題レコードを起こした時点から問題のクローズ、または既知のエラーの確認までに割いた平均時間と最長時間。平均時間と最張時間は有効ですが、ミスを犯す恐れがあります。このデータを使用するときは注意し、将来のスタッフの作業負荷をこのデータだけに基づいて決定しないようにしてください。

  • ビジネス連携の指標 – これは連携という言葉以上に警告的な意味を持っています。ビジネスマネージャがこのデータを誤解し、彼らの特定の問題に平均時間が適用されると思わせないように注意してください。 ビジネスマネージャにはこのレポートを配付しないという選択もできます。レポートを配付する場合は、これらが基本計画評価指標であり、確約されたことではないことを明確にすべきです。

一時的な解決処置。一時的な解決処置(インシデントを排除するために「パッチ」がインストールされたが、正式なソリューションあるいは承認されたソリューションではない場合など)は回避として知られています。問題に対し一時的な解決策が適用された後、サポートチームが永久的ソリューションを見つけ、それをインストールすることに取り組んでいくのではなく、問題を無視してしまう傾向をもつようになる可能性があるため、このレポートは重要です。このレポートは、一時的な措置の代わりに承認されたソリューションが確実に使用されるようにするために、サービスマネージャとサポートグループマネージャ全員に配付されなければなりません。このレポートは、新ソフトウェアリリースの正当化あるいは実行の際に特に重要です。例えば、ソフトウェアの新バージョンを実行するための第一の正当性として、排除されるべき一時的ソリューションの数が考えられます。同様に、このレポートを使用して、すべての適切な一時的ソリューションが確実に新バージョンに適用させることができます。

  • ビジネス連携の指標 – ビジネスマネージャが一時的ソリューションに関して知る必要があるか否かは、議論の余地があるところです。多くの場合は、例えばパッチにより彼らが問題を免れることができたなら、より永久的な解決に関してあまり気を回さないでしょう。しかし、資金を投入している場合は、このレポートを見たいと思うかもしれません。

未解決の問題の解決にかかる予想時間。解決にかかる予想時間は、各問題に対し作成される正当性レポートの一部となるでしょう。問題を持つ者は、個々の未解決な問題を検討することによって、解決にかかる予想時間を計算できなければなりません。自らの短期的な作業負荷の計画を立てる際に役に立つので、これはサービスマネージャとサポートグループマネージャにとって重要なレポートとなります。

  • ビジネス連携の指標 – 作業負荷の対価を支払っている、緊急に問題を解決する必要性がある、作業負荷を提供している、またはIT計画に関わっているという場合だけ、ビジネスマネージャはこのレポートを見たいと思うでしょう。 それ以外は、ビジネスマネージャがこのレポートに関心を示すことは通常ないでしょう。

ITの他の多くの側面を正確に計画することはできますが、問題とその影響に対する対策を正確に立てることはできません。しかし問題管理レポートは、組織の問題対処法の改善に役立つのです。

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