ITIL 的目标
サービスサポート評価指標
知恵の階層
第1章
一般に、情報技術(IT)グループは膨大な量のデータ収集を得意としています。しかし収集されたデータは、必ずビジネス関連の意思決定に有効利用されるとは限りません。実際はその逆がほとんどです。例えば、多くのIT部はサービスデスクでのあらゆるイベントを測定し監視しますが、主要サーバがキャパシティに近づいていることに気付かないこともあります。なぜでしょうか?サービスデスクには、そのパフォーマンスに関する膨大な量のデータを自動的に収集する技術がありますが、キャパシティに対するサーバの肥大化を測定するにはそれとは異なる努力と介入を必要とします。
ITマネージャとビジネスマネージャが企業目標とITの整合性を維持できるような決定を下すことができるよう、最も有効にデータを利用する方法を見てみましょう。
まず、サービス管理において一般的に使用される用語をいくつか見てみます。「データ」、「情報」、「知識」、そしてそれほど頻出はしませんが、「知恵」という用語です。これらの単語は度々使用されますが、常に適切な文脈で使用されるというわけではありません。
メリアム ウェブスターのオンライン辞書(http://www.m-w.com/ 注:英語版のみ)によると、これらの単語は以下のように定義されています。
データ
- 推論、議論、あるいは計算の基礎として使用される事実上の情報 (測定値あるいは統計値) <データは豊富で容易に利用可能です。>
- 検出装置あるいは機関によって生産された、有用な情報と無関係または余分な情報の両方を含む、有意となるよう処理されるべき情報
情報
- 調査、研究、または指導から得られた知識、
- 知性、ニュース、
- 事実、データ
知識
- 人の情報の範囲
知恵
- 蓄積された哲学的あるいは科学的な学習: 知識
- 賢明な態度あるいは行動
これらの定義によると、「データ」は「情報」の、「情報」は「知識」の、さらに「知識」は「知恵」の基本単位となっています。したがって、私たちの理解と意志決定の階層には4つのレベルがあります。データ、情報、および知識の収集における全体の目的は、賢明な決定をすることであるといえます。しかし、データソースに欠陥があれば、ほとんどの場合、決定にも欠陥が現れます。データ、情報、知識、そして知恵の間の関係は、以下のように明確に図示することができます。
図1:「データ」から「知恵」までの階層
図に示すように、1つのレベルから次のレベルへと「パッケージ」が渡されていきます。「知恵」レベルには、賢明な決定をするために必要なすべての構成要素(データ、情報、および知識)があります。もちろん、結果や存在する条件によって、すべてのレベルで決定が行われる場合もあります。各レベルで行われる決定の例を以下に示します。
データレベル:サービスデスクマネージャが、顧客の問い合わせの待ち人数が20人であることに気付きます。彼は、一時的にフロントラインのスタッフの数を増強すると決定するかもしれません−唯一のデータに基づいた決定です。
情報レベル:同様のシナリオとして、待っている顧客が20人いますが、この場合、マネージャはデータレベルより多くのデータを持っています。彼は、サーバは一時的にダウンしているが、しばらくすれば回復することを知っています。この場合、マネージャは2つの問題が関連していると考え、フロントラインの人数を増強する前にもう少し待とうと決めるかもしれません。複数のデータソースがあれば、マネージャはより多くの情報を取得し、その利用可能な情報に基づき決定を行います。
知識レベル:サービスデスクマネージャは、問い合わせの人数が増加していき、サーバがキャパシティレベルまで近づいていることに気付きます。マネージャはこの状況の解決法を説明する情報があるため、問題を隔離し即座に解決するための適切な措置を取ることができます。この決定は知識に基づいています。
知恵レベル:IT役員が、前月の知識を再検討中に、あるベンダーからの複数のサーバに問題があることに気付きます。彼らは、同じ問題が他のサーバにも生じる可能性があるかどうかを判断するために、彼らのすべてのサーバを調べるようベンダーに依頼することを決定します。この決定は知恵に基づいています。
これらの例は単純すぎるかもしれませんが、知恵の階層を理解するための基準点となるでしょう。