ITIL 的目标
ITIL推進マニュアル
中心人物にITILを売り込むための論拠を考える
第 6 章
ここまでで私たちは、中心人物を特定し、期待値を定量化し、そしてサービスを計算しました。次はそれを一つにまとめ、ITIL導入のための論拠を考える段階です。論拠を考える前に、論拠の作成とその提示のために、次のような主張の要点を見直す価値があります。
- 報告書として読むのが好きな人もいればプレゼンテーションを好む人もいる
- アイデアを売り込む相手の地位が高ければ高いほど、より簡潔でなければならない
- 中心人物それぞれのために手の込んだ報告書を作成することに時間を費やさないこと。立派な報告書を作成しても、個々の中心人物が属する部門が関わる部分はその一部であるから、彼らはそのような報告書を歓迎しない。
- 最大の効果を発揮する事項に力を入れる
標準的なイントロダクション、結論、および提案を作成することによりモジュール・アプローチをとるのが賢明です。そうすればプレゼンテーションが特定の目的に合うように各モジュールから選択し構成することができます。
図7に示すような報告書マトリックスを使用して、期待の定量化とサービスの計算の結果を照合し、構造化することができます。
| サービスと期待 | ||||||
| 戦略 | 演習 | 実践 | ||||
| サービスデスク | D | E | D | E | D | E |
| インシデント | D | E | D | E | D | E |
| 問題 | D | E | D | E | D | E |
| 変更 | D | E | D | E | D | E |
| リリース | D | E | D | E | D | E |
| サービス管理 | D | E | D | E | D | E |
| キャパシティ | D | E | D | E | D | E |
| アベイラビリティ | D | E | D | E | D | E |
| 財政 | D | E | D | E | D | E |
| 偶発事象 | D | E | D | E | D | E |
| 構成 | D | E | D | E | D | E |
| 図7 報告書マトリックス | ||||||
マトリックスにおける列は3つの主要なレベル(戦略レベル、戦術計画レベル、および業務計画レベル)を表します。各レベルの列はサービス(D)と期待(E)に細分されます。行はITILの領域を表します。論拠を考えた段階から得た結果を、マトリックスの該当ボックスに記入します。例えば、サービスデスクに対し3つのサービスがある場合、対応するボックス(DまたはE)に3つの項目としてそれらを記入します。このマトリックスアプローチに従うことによって、作成するどんな報告書の内容も即座に統合することができます。
| サービスと期待 | ||||||
| 戦略 | 演習 | 実践 | ||||
| サービスデスク | D | E | D | E | D | E |
| インシデント | D | E | D | E | D | E |
| 問題 | D | E | D | E | D | E |
| 変更 | D | E | D | E | D | E |
| リリース | D | E | D | E | D | E |
| サービス管理 | D | E | D | E | D | E |
| キャパシティ | D | E | D | E | D | E |
| アベイラビリティ | D | E | D | E | D | E |
| 財政 | D | E | D | E | D | E |
| 偶発事象 | D | E | D | E | D | E |
| 構成 | D | E | D | E | D | E |
| 図8 報告書マトリックスの例 | ||||||
| サービスと期待 | ||||||
| 戦略 | 演習 | 実践 | ||||
| サービスデスク | D | E | D | E | D | E |
| インシデント | D | E | D | E | D | E |
| 問題 | D | E | D | E | D | E |
| 変更 | D | E | D | E | D | E |
| リリース | D | E | D | E | D | E |
| サービス管理 | D | E | D | E | D | E |
| キャパシティ | D | E | D | E | D | E |
| アベイラビリティ | D | E | D | E | D | E |
| 財政 | D | E | D | E | D | E |
| 偶発事象 | D | E | D | E | D | E |
| 構成 | D | E | D | E | D | E |
| 図8 報告書マトリックスの例 | ||||||
内容をどう照合したらよいか理解するために、2つの例を図8に示しました。左の例では、すべてのレベルの視野からのサービスデスクに関する報告書のための内容が網かけしていない領域に示されています。右の例では、戦略レベルの報告書またはプレゼンテーションからの内容が網かけされていない領域に示されています。スプレッドシートあるいはワープロの表のセルを使用して各ボックスを作成するだけでは充分ではないことに注意してください。レイアウトと内容の決定には、綿密な計画が必要です。以下は、各サービスあるいは期待を示したワープロ書類形式の例です。
- 題目。期待またはサービスに対する簡潔なタイトルが含まれ、通常全体の表題となります。
- 提案者。サービスを提案するあるいは期待を要求した人物や部署の名前。
- アナリスト。分析を行った人物の名前。
- 期待/サービスの記述。期待/サービスの簡単な説明
- 情報源。データの入手先、または実データそのものを指します。多くの記録が盛り込まれる場合は、実データを含めるよりむしろ情報源を参照するほうが望ましいでしょう。例えば、データが特定の月のサービスデスクの記録のデータである場合、膨大な量の実データの記録を含めるより参照する方が望ましいでしょう。
- 行為。アナリストによって行われる行為の説明
- 結果。計算または式、および結果の両方が含まれます。
- コメント。注意、留保事項、提案、指導などの項目が含まれます。
理想的には、上記の構成要素名が各項目の見出しとなり、題目が大見出しとして、その他の項目は小見出しとして示されます。上記の異なる見出しすべてを使用したいとは思わないかもしれませんが、期待またはサービスそれぞれがそれ自体独立した書類であることを示すためには必要なことです。プレゼンテーションが必要な場合、標準書式への情報と同じ情報を含むスライドを作成することができます。
調査を完了し、該当するボックスにすべてのサービスと期待を記録・記入すれば、中心人物に特定した報告書を構成することが容易となります。標準的なイントロダクションを書き、結論と提案の一般的な内容を作成することができます。
最終段階は、報告書を概説したり、プレゼンテーションを行うことができるように中心人物とのミーティングを計画することです。アプローチに忠実となり、「買う気」を起こさせましょう。確実に返事をもらうために、返事がない場合は完全に承諾したとみなす日付を設定しましょう。