ITIL 的目标
ITIL の目標
ITサービス目標のための財務管理
第 7 章
財務管理だけは、2つの異なるタイプの目標があります。社内の組織のための目標と、商用環境のための目標です。商用環境は、外部への請求あるいは内部への請求、すなわちチャージバックが行われる環境と考えることができます。ITILによれば、以下のように目標が定義されています。
社内組織においては、以下のような目標があるべきである。
- ITサービスを提供する際に使用されるIT資産とリソースの費用対効果に優れた財務管理を提供する。
商用環境には、組織の利益獲得とマーケティング目的を反映する目標声明がある場合がある。
ITサービス組織の目標には以下が含まれるべきである。
- ITサービスに費やされたすべての金額を明らかにし、これらのコストが組織の顧客に提供されたサービスに帰属することができること。
- ITサービスの変更のための詳細なビジネスケースを提供することにより、IT投資に対する経営意思を支える。
お分かりのように、ITサービスのための財務管理は、予算編成だけではなくコスト効果に関連しています。しかし、予算編成はこのプロセスの重要な要素です。サービスレベル管理目標では「ビジネスあるいはコストの正当性に連動して」と説明されていまが、財務管理プロセスはこのコストの正当性が存在するところです。ITILでは、コストに関して言及する際しばしば「目的に適う」という語句が使用されます。賢明にITサービスに費やされる資金に関連しているため、これは重要な語句といえます。例えば、99.999パーセントのアベイラビリティを提供するのにXドルかかるとします。100パーセントのアベイラビリティのためには、さらにいくらかかるのでしょうか?100パーセントのアベイラビリティを達成するコストは比例的ではないかも知れず、また99.999%で「目的に適っている」かもしれません。また、顧客が要求し必要としているアベイラビリティが50パーセントであった場合、99.999パーセントのアベイラビリティを提供する必要があるでしょうか?99.999パーセントという数字を達成するために使用される追加資金が、他のIT領域の改善のために使用される、あるいは全費用の削減のために削除することができると考えると、これは賢い決定とは言えないでしょう。
この本の目的から、社内の組織は内部のスタッフだけをサポートし、チャージバックはありません。一方商用環境では、社内顧客に対するチャージバックあるいはサポートされる外部の顧客に対する請求のどちらかがあります。それでは、財務管理目標の要素を一つ一つ見ていきましょう。まず最初に、社内の組織に対する目標を見てみます。
「ITサービスを提供する際に使用されるIT資産とリソースの費用対効果に優れた財務管理を提供する」これは短い言葉ですが、不十分な財務管理だと会社経営の変更またはアウトソーシングによりそのレベルが急速に低下する可能性があるため、非常に大きな意味を持っています。「費用効果に優れた」という表現はITサービスに関連するため、抽象的かもしれません。例えば、最も低いコストが最良コストであると主張する組織もあります。一方、品質サービスに投資するほうがよいと主張する組織もあります。多くの場合、費用効率は確固とした企業意思よりむしろ予算の限度によって動かされます。しかしこの目標のためには、全体的な目的の中で費用効率を考えなければなりません。予算や他の基準によってどのような条件が設定されようが、IT投資を保護し促進させるためにやはりIT財務を管理しなければなりません。「費用対効果に優れる」という言葉があなたのIT組織においてどんな意味をもつか明確に理解していますか?原動力となるファクターは、コスト削減、品質の維持、またはその間ですか?明確な理解と声明がない場合は、財務管理が非常に難しくなります。コストに関する決定が、必要以上に長い時間がかかり、必要以上に多くの議論を呼ぶ場合、それは明らかに理解不足のしるしです。
「財務管理」には、管理者、支配人、キーパー、監督者、スーパーバイザー、あるいは保護者などいくつかの潜在的な意味があります。この同義語のリストを見れば、それぞれの同義語がこの目標に関連しているために「財務管理」という言葉が選ばれたのが分かります。「財務管理」の同義語が、マネジメントやオーダリングよりむしろ監督や保護に関連していることに注意してください。「財務管理」は目安と先導を意味しますが、「費用効率」は支出レベルと目的を示しています。IT内の人間それぞれが、財務管理およびそれがどう彼らの役割と職責に関連するかを理解しなければならないため、これらの区別が重要です。
「ITサービスを提供する際に使用されるIT資産とリソース」この要素を検討する前に、ITILによる「資産」の定義を思い出してください。
ビジネスプロセスの要素資産には、社員、設備、コンピュータシステム、ネットワーク、書類記録、ファックス機器などが含まれます。
資産が費用対効果に優れた財務管理によって統括されるべきものなら、その資産は登録されコントロールされなければなりません。IT資産を管理するよう明確に設計されたITILプロセスがあります。それは構成管理です。資産が中心的なデータベースの中にありますか?コストと、コストがどのようにその資産と関連しているかを理解していますか?そうでない場合、効果的にIT財務を管理することはできません。ここで、ITILにおけるリソースの意味を見てみましょう。
ITサービス部は、必要なサービスを顧客に提供しなければなりません。リソースは、通常コンピュータおよび関連する装置・ソフトウェア・設備、あるいは組織(人間)です。
一見すると、「資産」と「リソース」の定義は全く同様であるように思えますが、大きな差異があります。資産は構成要素ですが、リソースはサービスを提供する多くの資産を必要とします。例えば、Eメールサービスを提供するためには多くの資産が必要となります。多くの場合、資産は多数のリソースの間で共有されます。例えば、サーバは資産ですが、多くのサービスがそれらのリソースの一部としてそのサーバを使用しています。
この目標要素を満たすためには、コストと、コストがどう資産に関連するかだけではなく、コストがどのように顧客に提供されるサービスに分配されるかも知っていなければなりません。このように、費用配分を明確にする費用構造を確立することができます。
商用環境に対する目標要素には、上でITの社内財務管理に対して説明された目標要素と、以下の目標要素が含まれます。
「ITサービスに費やされたすべての金額を明らかにできる」これは、IT支出を説明できるように、コストを管理することができる、しかるべき財務上のソフトウェアとプロセスを持っていなければならないことを意味します。例えば、あなたはEメールサービスが毎月いくらかかるか知っていますか?これには、資産、プロセッサの時間、変更のコスト、サービスデスクへの問い合わせ、および通信コストが含まれます。費やされたすべての金額を説明するとは、ビジネスとしてITを実行するということです。
「これらのコストが組織の顧客に提供されたサービスに帰属することができる」前の要素に引き続き、あなたはどのようにEメールサービスのコストを顧客に分配しますか?これにはコストを計算する公式が必要でしょう。一つに、各顧客によって使用された割合に比例してそのサービスのコストの割合を計算するというという方法があります。他には、「使用した分だけ支払う」という計測的手法を用いるという方法もあります。この目標要素を満たすのにどのような方法を使用するにしても、全てのサービスのコストと、それらと顧客との関係を知っていなければなりません。コストを帰属させるための公式がありますか?無い場合は、この目標要素を満たすことはできません。
「ITサービスへの変更のための詳細なビジネスケースを提供することにより、IT投資に対する経営意思を支える」これはかなり簡単な要素ですが、財務管理における他の全ての要素が満たされているかどうかに依存します。他の要素を満たすことができなければ、ビジネスの正当性を提供するデータは利用できません。「コスト」という言葉を、単にサーバのコストなどのコストデータを意味しているものと解釈しないよう注意してください。また、ビジネスの正当性には、投資回収率の計算、および他の重要な企業情報のデータが必要です。他の基準が一つでも満たされていない場合は、これを満たすことはできません。
コスト管理と市場競争力の維持のためには、IT財務管理がますます重要になっています。有効なIT財務管理を実践する組織は、ITを支出ではなく棚卸資産とすることにより高い利益を得ていることでしょう。つまり、これらの目標の達成は、ITとビジネスの両方にとって有益なのです。