ITIL 的目标
ITIL の目標
サービスレベル管理目標
第 6 章
サービスレベル管理(SLM)は、他のプロセスが提供に努めなければならないサービスレベルを決定するものであるため、ITILフレームワークにおいて重要なプロセスです。SLMは主に、顧客コミュニティに関連したサービス管理の目標設定に関わっています。ITILで説明されるSLMの目標は以下の通りです。
SLMの目標は、ITサービスの達成に関する同意・監視・報告という連続的サイクルと、ビジネスあるいはコストの観点からの正当性に従った、不十分なサービスの根絶を目指した活動の促進により、ITサービスの質を維持し向上させることである。これらの方法により、ITとその顧客の間のリレーションシップを向上させていくことができる。
シンプルな目標ですが、一つ一つの単語には様々な意味があります。多くの場合、ITパフォーマンスに関連した業界の期待と願望は、利用可能なテクノロジーソリューションの範囲ではなく、サービスとサポートの質に関する洞察力です。期待を基準尺度として使用するのは危険です。それらの期待を現実に見合うように調整することが重要であり、それがまさに、これらの目標が実現させようとしていることなのです。目標の各要素を見ていきましょう。
「SLMの目標は…ITサービスの質を維持すること」特に質の維持に関しては、自己満足は私たちすべての敵です。本当の勝者は決して自己満足しません。しかし、ITサービスの品質向上を目指し始める前に、サービスレベルが顧客と同意されたレベルに維持されるのを確実にすることができる業務活動に、業務慣例、プロセス、そしてメトリクスを持っているということを確認する必要があります。上記の要素が述べているのはこのことです。あなたは、定期的に顧客と接触を持ち、あなたが目指すレベルのサービスが維持されているかチェックしますか?サービス目標をぎりぎりまで高く設定しますか?顧客に対し頻繁に調査を行いますか?もしそうでない場合は、サービス品質のレベル向上はうまくいかないかもしれません。数年前からの古典的シナリオがあります。当時は、サーバが新技術として支配し始めた時期でした。多くの組織が古いメインフレーム技術により提供されるサービスを無視し始め、代わりにサーバに焦点を合わせました。その結果は、不幸な顧客と、重要なビジネスシステムへの脅威と、非常にコストのかかるY2Kでした。 「同意されたサービスレベルの維持」を常に議題のトップに置くようにしてください。
「SLMの目標は…ITサービスの質を維持すること」この要素は、新技術に関して話しているのではなく、むしろ現状技術について述べていることに注意が必要です。私たちは絶えず向上すべきであり、停滞していてはいけません。ITでは、簡単に到達できるような目標を設定し、毎月それらの目標が達成されると喜ぶといったことが非常に多く見られます。しかしそれらの目標が100パーセントの割合で達成されなかったら、祝うに値するとはいえません。多くの場合、目標があまりに頻繁に達成されるため、だれもそれ以上気にかけることはなく、ITスタッフがメトリクスの生産・発行を検討することはあまりありません。この目標要素を満たすためには、品質のレベルを向上するための明確な方針が必要です。
「ITサービスの達成に関する同意・監視・報告という連続的サイクル」同意・監視・報告この要素は、これ以上明確にも、簡単にもなり得ません。これは、顧客の経営目的を満たす技術的要件を理解するために行う顧客との定期的なコミュニケーションに関していますほとんどの場合、ITと顧客の間のコミュニケーションが行われるのは、問題が生じたときだけです。これが、多くの組織において非常に多くの衝突が存在する理由です。対立に基づくリレーションシップがうまくいくはずはありません。それがこの要素が非常に重要である理由です。
期待を管理することはできませんが、現実を管理することはできます。いかなる混乱も排除しリレーションシップに具体的な基準を与えるためには、同意、監視、そして報告の形式化が重要です。これを実行するために、ITILは、あなたのサービスと標準値をサービス・カタログ(SC)に載せることを推奨します。このカタログから、顧客はあなたのサービス・レベル・アグリーメント(SLA)に同意することができます。またITILは、様々なIT部の間に運用レベル契約(Operational Level Agreement、OLA)と呼ばれる組織内契約を結んでいること、また外部のサプライヤとは基盤契約(Underpinning Contract、UC)と呼ばれる契約を結ぶことを勧めます。これにより、あなたはサービス・カタログあるいはSLAで設定された価値を満たすことができるということを保証することができます。あなたが顧客に近づきサービスレベルについて議論し同意を得るには、OLAとUCが結ばれていなければなりません。SCあるいはSLAがないと、おそらく同意しているレベルのサービスがないということで、あなたと顧客との間に衝突が起こるでしょう。たとえSCあるいはSLAがあったとしても、契約がそれに関わる当事者によって同意されていないかもしれないという理由で、衝突することになるかもしてません。
時には、サービス目標を達成しているにもかかわらず、満足度調査であまりいい結果が得られないということもあります。これは、調査対象が間違っている、間違った質問をしている、あるいは認めたSLAのレベルが低いということを示唆していると考えられます。OLAまたはUCがないと、IT部と彼らのサプライヤの間に衝突が見られるでしょう。その典型的な一例は、緊急が予期され拡大しつつあるインシデントに対して、二次レベルサポートがサービスデスクによって対応されていないことです。その原因として考えられるのは、ITと顧客の間の衝突、不充分な調査結果、内部の衝突、または外部のサプライヤとのリレーションシップの悪さです。このどれかに心当たりがある場合は、この要素を満たしていないということです。
サービスレベルに同意しそれを書面に残すために、定期的に顧客と話し合いをもっていますか?それらの同意されたサービスレベルが提供されるように必要な監視を実行していますか?あなたは、同意されたサービスレベルの不履行を全て確実に排除するために、報告書をもって推奨や提案を示していますか?これらすべての質問に自信を持って「はい」と答えることができないなら、この目標要素を満たしていないということです。これがただ年に一回のレベルではなく、連続的に行われるべき作業であることに注意が必要です。この連続的サイクルによって、SLM目標にある最後の2つの要素のための情報が得られるため、ここでの失敗は許されません。
最後に、この要素におけるキーワードは「達成」です。ITにとって、積極的な態度を示し、将来に対し成功志向であるのは励みとなります。まずサービスの公約を守り、そしてその達成を通してそれらを改善します。否定的状況でも達成されるかもしれません。例えば、予想外の問題が起こった場合、達成とは、顧客の業務速度を回復させるだけではなく、同じ問題が二度と起こらないということを確実にすることができる対策をとることです。達成は、単に同意された目標の到達に満足することではなく、むしろ目標を超えることによって得られるのです。あなたは積極的ですか?あなたは、同意された目標を超える努力をしていますか?これは成功を求めて努力することと過去の業績に満足しているということの間の差異であるかもしれません。
これはどんな段階でも改善の可能性を生み出すことができる連続的サイクルです。しかし、自分自身のためだけの改善では不充分です。また、改善が正常なビジネスに基づくこと、すなわち、ビジネスあるいはコストの観点からの正当性に従っていることを確実にしなければなりません。確実にビジネスあるいはコストの観点からの正当性に従うためには、ある他のITIL要素の実行が必要です。すなわち、改善を行う変更管理、コストの関係を理解している財務管理、そして改善の範囲と影響を特定する構成管理です。さらに、改善を実施した後、ROIの計算・立証と総所有コスト(TCO)の推定を行う必要があります。もちろん、これらのITIL要素がなくてもビジネスあるいはコスト面からの正当性に従い改善することができますが、時間と金を浪費する危険性があります。
この目標要素を満たすためには、通常問題管理およびアベイラビリティ管理と共に実行されるサービス向上プログラム(Service Improvement Program、SIP)が必要となるでしょう。ITILは、SIPを以下のように説明しています。
サービス品質に悪影響を与えるような根本的な困難が特定されている場合、サービスレベル管理は、 問題管理およびアベイラビリティ管理と共に、困難を克服しサービス品質を回復させるために必要な措置を全て特定し実行するようSIPを扇動しなければなりません。
また、もちろんSIPという要素がビジネスあるいはコストの観点からの正当性に従っていなければなりません。あなたはこの目標要素を満たしていますか?ビジネスあるいはコスト面の正当性に従い絶えずサービスを向上させていることを確かめていますか?有効なサービス向上プログラムがありますか?それとも全てが失敗した時だけ対応しますか?絶えずサービス向上を目指し努力するIT部は企業のビジネスパワーを高めるため、企業資産として見なされます。
「これらの方法により、ITとその顧客の間のリレーションシップを向上させていくことができる」-この要素は全てを結論付けています。この目標の他の全ての要素を満たせば、この最後の要素はおのずと得られるでしょう。ITとその顧客の間のリレーションシップがよければ、スタッフの満足感も高まり、課題を克服していくことも楽しく感じられるようになるでしょう。この要素は、サービスレベル管理目標における他の全ての要素の決定要因です。この要素を満たしていれば、他の全ての要素も満たしているといっても過言ではありません。
サービスレベル管理は、顧客の要望・要求を管理することから、明らかに重要なプロセスです。しかし多くの場合、IT部はこのプロセスを軽視しています。目標と彼らの解釈を読んでみると、ITと顧客の両方へのSLMの重要性が容易に分かるでしょう。これらの目標は本質的に他の多くのプロセスにリンクしているので、これらの目標を達成できればその他のプロセスに成功する可能性も高いでしょう。例えば、同意されたアベイラビリティレベルを満たすためには、少なくともアベイラビリティ管理によって必要とされる業務をいくつか引き受けなければなりません。サービスレベル管理により、ITは孤立した付属物として機能するのではなく、より伝統的な事業部門に関連した事業部門として機能することができるため、サービスレベル管理が成功の秘訣なのです。